創立55周年記念事業「台湾公演」の様子について(1月7,8日分追加…1/12更新)

1/4(木)から1/8(月)にかけて行われます、福島県吹奏楽連盟創立55周年記念事業「台湾公演」についての様子をお伝えします。
なお、以下のリンクより、リアルタイムの様子を確認することもできます。

福島県吹奏楽連盟 台湾公演(twitter)
https://twitter.com/suzuken0921

1/3(水) 

台湾公演にさきがけて、いわき明星大学児玉記念講堂において、台湾公演事前演奏会が開催されました。荒れた天候の中、各地域から多くの来場者を迎え、台湾公演で演奏予定の曲目を披露しました。


いわき支部以外の参加メンバーは宿舎へ移動。食事を済ませて、明日の準備に備えています。

1/4(木)移動日

6:50 いわき駅前集合  7:00 バス出発
10:20 成田空港到着
14:40 成田空港 離陸
[時差は-1h(日本9:00で台湾は8:00)]
17:40 桃園空港 着陸

19:40 夕食レストラン:台北市内の「春梅子」に到着
岩城光英様、現地通訳者「権田猛資」様からご挨拶をいただきました

21:20 六福客棧 到着

首脳陣は、現地で準備に携わってくださっている方々
日本台湾交流協会 塩澤 様、陳 様
愛樂交響楽団 賴文福 様
葳格グループ 梁君堯 様、梁 様のご家族
と面会を行いました。
出演者は各部屋へ移動し、しっかりと体を休めました。

明日からの本番、台湾の方々に感謝の気持ちを伝えるべく全力で演奏に臨みたいと思います。

1/5 台北市 ホール功学社での公演

台湾での最初の公演、本当に受け入れてもらえるのか不安が募る中のリハーサルでした。建物の外観は新しく、ホール内は現地のプロフェッショナルたちが作り上げたひな壇・照明・音響が整っており、本番への期待が高まると同時に、このような環境を整えてくださった現地の方への感謝の気持ちが、より一層旅行団の意識を高ぶらせてくれました。

会場でのリハーサル。台南応用科技大学音楽学科院長である張龍雲様のファゴットソロによる「年とった頭痛持ち」からスタート。最初は戸惑いながらも団員のレスポンスを発揮し、すぐに安定した「調和」を奏でることができました。その後、現地ですべての準備を担当してくださった梁君堯様の指揮による交流演奏の練習に移り、こちらも国民性や音楽性の違いに戸惑いながらも、現地の音楽に触れながら新しいサウンドを作り上げることが出来ました。

本番直前、緊張をかき消すかのように明るい演奏者たち。しかしその胸の中には熱くたぎる感謝の思いがありました。

本番では、これまでの練習にはなかった丁寧かつ大胆な表現に満ち溢れた「熱演」となり、お客様の反応も、我々の想像を超える「熱い歓迎」に満ちたものとなりました。飛び交う「ブラボー」の声に加えスタンディングオベーション、さらにはMCにでさえもそれに応えてくれるほどの熱気に包まれました。さらに、アンコールの「望春風」では、老若男女が等しく熱唱をしてくださいました。
演奏者の「熱演」と、現地の方々の「熱い歓迎」により、会場の温度が最高潮に達することが出来た、特別な演奏会となりました。

1/6 新北市 ホール藝文中心での公演

リハーサルの時間は45分と非常に短い中でしたが、2回目の公演ということで出演者たちの動きもスムーズで、順調に本番の準備を行うことができました。また、本番の進行もいい意味で「慣れ」があり、安定した演奏につながりました。
初日よりも、交流演奏の指揮者である梁さんとの息も合ってきました。最高の瞬間です。明日の公演への期待もさらに膨らんできています。

1月7日 台中市市民広場での公演

この日は最後の公演、舞台は「台中市市民広場」という野外のステージ。始めての合奏から、ちょうど10回目の合奏となる日でした。野外ということで不安も大きかった中、現地に到着してみると、公演のために必要なスペースが完璧に用意されていました。十分な広さのあるテントやひな壇、演奏に必要な楽器、奏者に必要な椅子と譜面台、何不自由なく演奏することが出来ます。

公演には、台中市の市長(次期の台湾代表として呼び声の高い人気のある方)や副市長もご臨席くださいました。演奏会の始まりや途中にご挨拶をいただき、会場を共にわかせてくださいました。

現地の方々は、この台湾公演の意義を重要なものと受け取ってくださり、このように熱烈な歓迎を受けることが出来ました。演奏の方は、野外ということで音響がどうなのか気がかりでしたが、PAシステムによりいつもの合奏の音を十分に聴かせることが出来ました。足場の悪い中、ソリストの平子先生のパフォーマンスも光ります。環境の悪さを一切感じさせない、技術的にも芸術的にも熟しきった演奏に、涙を流す方もいるほど素晴らしい演奏でした。

実はこの日、会場到着時点では雨が降っておりました。地面はぬかるんでいる状態であり、不安もありましたが、それ以上にあったのは「感謝」という想いでした。私たちは、演奏を通して、震災に対する支援をくださった台湾の方々に御礼を申し上げに来たのです。加えて、今回の演奏旅行を実現してくださった現地の方々に対しても、新たな「感謝」の気持ちが芽生えています。今ある環境の中で、どれだけ最高のパフォーマンスができるか、みんなそれに向けて必死に準備を進めました。
1日目、2日目とは違う不安定な環境の中、むしろ強固になったみんなのやり遂げようという「心」が、技術以上のパフォーマンスにつながり、感動的なフィナーレを迎えるに至りました。
出演者たちにとっても最後の演奏、このような想いと雰囲気の中終えることが出来たこと、これまた「感謝」と喜びでいっぱいです。

1月8日 帰国日

この日は帰国日ですが、全員が集合しゆっくりとミーティングをする時間はありませんでした。そのため、前日1月7日の夕食の際に、今回の公演の総括を行いました。
髙城会長、岩城特別顧問、田母神理事長、深谷演奏者代表、根本音楽監督、ソリストの平子先生からそれぞれ総括をいただきました。公演を成功させた充実感に満ちた、いいムードでの夕食会となりました。また、通訳を担当してくださっていた「権田猛資」様からのご挨拶もいただきました。ここでは27歳とは思えぬ、立派極まりないお言葉を頂戴することが出来ました。権田様とはこの日でお別れとなります。寂しいですが、またお会いできる日を願いつつお送りしました。

1月8日の朝、全ての体力を昨日までに出し切った旅行団一同は、疲労と台湾公演が終わってしまったという寂しさを感じつつホテルを出発しました。
空港では思いのほかチェックインに時間がかかり、飛行機の出発が遅れてしまいました。
貨物室に乗せる「楽器」について説明するのが難しく、一人一人の作業に時間を要してしまったようです。成田空港とは違って、言語の壁に悩まされた瞬間でした。飛行機は離陸直後に揺れが大きかったものの順調に飛行し、成田空港へ到着いたしました。その後、いわきまでバスで移動し、いわき駅前に無事到着。そこで、いわき駅解散組、いわき明星大学組、県南・会津組、相双・県北組、とそれぞれの帰路へつきました。

今回の公演で得た様々なことは大変価値のあるものでした。感謝を伝えるための公演でしたが、逆に感謝され、熱烈な歓迎とともに厚いおもてなしをいただくことができました。また、公演をしたいという本連盟の要望を実現するため、多くののプロフェッショナルが協力してアレンジしてくださいました。福島の「いま」を伝えながら、自分の「あり方」について考えさせられたこの機会は参加者の糧にもなったはずです。福島県吹奏楽連盟会員の若い世代が、これからの人生を送るにあたり、この公演をきっかけとして強い力となってくれたら幸いです。
今回の公演に際しまして、ご理解とご支援をしてくださった、そして応援をしてくださった皆様に、改めて御礼申し上げたいと思います。